2026年9月3日木曜日

市長からの回答へ「野川ほたる村」からの反論

この間市民が示してきた市長の「必要性は否めない」について、市民説明会でも多くの市民が、その市長の論拠の矛盾を指摘してきました。それについて「野川ほたる村」が改めてその論点をまとめましたのでこちらに転載します。

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市長の回答「3・4・11号線の整備の必要性は否めない」の主要論点について

市長の回答の趣旨は次のとおりです。

「令和 8 年 7 月、熊本県で最大震度7観測する強い地震がありましたが、本市においても首都直下型地震 の発生リスクが高まる中、本路線は市民の生命・財産を守るための防災インフラとして重要な役割を担うもの です」というものです。

当初は、3・4・11 号線の整備の目的は「小金井街道と天文台通りの3.6km区間に南北道路がなく、3・4・ 11 号線を整備すれば、小金井街道の渋滞問題は解決する」という説明でした。 市民説明会で、市民から、その効果がないことが指摘されて、市長は急遽「防災、命」を持ち出し、必要性の 根拠として強く主張し始めました。さらに、能登半島や熊本の地震を引き合いに出すことで、防災インフラの 重要性をことさらに強調し、当初の整備目的との矛盾を覆い隠そうとしています。

今回の市長回答の主眼である「災害時避難、延焼防止、一方偏集(救急医療時のアクセス、消防時アクセス)、 土砂災害時の代替道路)」について問題点を精査し、整理しました。

(1) 避難場所へのアクセス
 
災害避難は、災害が差し迫ったときには、一時避難場所(東中、南小など)に、「徒歩で避難する」ことが大
原則です。3・4・11 号線は、災害時には危険ですし、役に立ちません。また、広域避難は一時避難場所に火災 が迫るような二次的段階で行う避難です。(小金井市避難ガイド)これも現道利用で問題はありません。

熊本地震では、とりわけ強固な筈の高速道路の、妙見第一橋や川田橋をはじめとする橋梁で、激しい揺れ、 孫結果の橋桁のズレや脱落などの深刻な被害が発生し、長期の通行不能に陥りました。この事実は、大規模地 震における橋梁の脆弱性と、復旧に多大な時間を要する現実を示しています。

熊本地震の教訓は、「橋梁は有事の避難ルートや早期復旧には役立たず、むしろ被害を拡大させる場合があ る」という点にあります。 大地震時に、地震に弱い高低差十数メートル・長径間の橋梁を車で避難せよ、徒歩で避難せよ、と市長が主張 することは、市民の生命を危険にさらす無責任な考えであり、到底容認できないものです。

(2) 延焼遮断帯の形成
「防災都市づくり推進計画の基本方針」に基づけば、延焼遮断帯として機能させるには沿道 30m にわたって
「不燃化率 60%以上」を達成する必要があります。従って、3・4・11 号線の幅員は 18m程度なので整備しただ けでは延焼遮断帯として機能しません。一方、3・4・11 号線と並行して走る西武多摩川線は22m の幅員があ り、3・4・11 号線よりも幅員が広く、延焼遮断として概成しており一定の効果を発揮しています。 従って、都の施策である延焼遮断帯を早期に完成させるには、長期を要する 3・4・11 号線の整備に頼るので はなく、西武多摩川線沿線の住宅の不燃化を進めることが最も合理的で効果的な対策です。

(3)緊急車両の一方偏集
 市道573号線は、交通規制が行われていますが、消防車両、救急車両などの緊急車両は何時でも通行可能です。また、市道437号線も、緊急車両は可動式車止めを開きいつでも通行できます。 したがって、緊急車両のアクセス確保を理由に 3・4・11 号線整備を正当化することはできません。

(4)生活道路への流入の問題
道路交通法の改正により、令和 8 年 9 月から、生活道路は速度制限が 30km に引き下げられ、生活道路への
流入交通の抑制策が全国的に進められています。

高齢化が進む地域コミュニティは、日常的な住⺠相互の助け合いが不可欠です。これは高齢化か進む時代の 要請であり、3・4・11 号線のような大型道路で分断するのが間違いです。
当地域においては、3・4・11 号線の建設ではなく、「交通監視システム」を導入すれば、低コストで確実に車 両の流入を防げます。これは防犯対策にも直結し、地域の安全・安心を「一挙両得」で高める有効な対策です。

(5)救急医療
市道 573 号線は通行規制時間帯であっても救急車などの緊急車両は問題なく通行できるため、医療アクセ
ス上の支障はありません。榊原記念病院へも、アメリカンスクールや東京外国語大学の横の現道を通過すれば 10 分程度で到達可能です。

現在、深刻なのは、救急患者の「たらい回し」による重症化・死亡です。不足しているのは「道路」ではな く、受け入れ先となる「緊急医療施設」や「医療従事者」です。 また、東京大学・豊橋技術科学大学名誉教授の大西 隆氏は、次のように指摘している。 「救急指定病院についても、市内にあるのは 1 病院とはいえ、武蔵小金井駅から半径 5 キロ以内(直線距離) で検索すると 10 程の該当病院があり、多くは市の東⻄北方向に立地しているから、特に 3・4・11 号線の未 整備が時間ロスを放置することになるとはいえない」と。

(6)緊急輸送 
「地域内輸送拠点がある小金井公園が東八道路等と接続されることで、災害時の救助活動や物資輸送が強化され、防災性が向上することが期待されます」と説明しているが、既に、緊急輸送道路は、通行条件が安定し た小金井街道→東八道路のルートが指定されており問題ない状況です。

一方、3・4・11 号線の高所で長径間の橋梁ルートは、熊本地震が示すように、大地震の時に安全に通行可能か さえ確証できません。構造的リスクを抱える橋梁ルートを緊急輸送とすること自体が合理性を欠いています。

(7)土砂災害警戒区域による交通阻害
武蔵野公園周辺で土砂災害警戒区域が 2 か所指定されています。「小金井3」区域は廃屋跡であり、武蔵野公 園の「未開園地」として東京都の管理下にあります。「小金井4」区域は東京電力変電所の擁壁です。 二つの区域が本当に危険な状態ならば、直接の当事者である、東京都に、東電に、夫々対応を求めるべきです。 3・4・11 号線に転嫁するのは筋違いです。また、市長は「小金井4の擁壁崩壊によって二枚橋の坂通りが閉塞 された際、3・4・11 号線が代替道路になる」と主張しますが、見晴らし坂を利用すれば通行は確保され、代替 ルートとして機能します。市長の指摘は地理や道路構造を無視した論理のスリ替えです。

結び 市長が強調している熊本地震の事例は、むしろ市長自身の認識および都知事への要望書の前提が誤って いたことを明確に示しています。市長の回答は、防災上の実情や地震の教訓を十分に踏まえたものとは 言えず、複数の点で明らかな誤りを含んでいます。

市長は、これらの事実と熊本地震から得られる教訓を真摯に受け止め、都知事宛ての要望書をいったん
撤回し、再整理したうえで、改めて提出すべきです。

(以上)

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