2019年12月18日水曜日

長谷川裕さんの講座「武蔵野デモクラシー」報告

11月17日(日)10〜12時、小金井市公民館貫井北分館にて、はけ文企画、小金井市公民館主催、市民が作る自主講座「武蔵野を語るvol.1〜武蔵野デモクラシーみんなで武蔵野を語ろう!」が開催されました。
講師はTBSラジオプロデューサーの長谷川裕さん。小金井市在住で武蔵野、はけ、そしてはけを通る都市計画道路問題もずっと関心を寄せてくださっている方です。長谷川さんとの事前の打ち合わせで、長谷川さんだけが話すのではなく、武蔵野やはけに注目しているメディア関係者にも声をかけてはどうかということになり、『武蔵野樹林』副編集長の住谷はるさん、小金井市在住で地元ではフリーペーパー184のメンバーでもある編集者の刈屋琢さん、その他会場にはいろいろな方にきていただきご発言もいただきました。参加者も20歳代から90歳代まで幅広く、今までの講座とはまた一味違ったものになったと思います。ありがとうございました。


左から司会の安田、長谷川さん、刈屋さん、住谷さん。

当日参加してくれていた小金井市民・小山剛さんに感想をお寄せいただきましたので、ご紹介します。


はけ文のイベントは毎回参加させていただいています。今回は、地元在住のラジオプロデューサーの長谷川裕さんが今回のゲストということで、講師が一方的に語る講演会ではなく、はけ文の安田さんと二人のパーソナリティのいる公開ラジオ収録のような企画でした。
中央線の高架化と新しい商業施設のnonowa、雑誌での武蔵野特集、KADOKAWA本社の東所沢移転、一個一個の動きについては知っていても武蔵野ブームとして考えることはなかったので新鮮でした。今、武蔵野が注目される理由・価値とは何なのかというと、長谷川さんは「ほどほど」という言葉で表現されましたが、都会すぎず田舎過ぎないバランス、利便性を保ちつつも都市の喧騒から離れた地域環境でしょう。高度成長期に拡大してきた都市圏が再度、都心に収斂されていく中で、都心へのアクセスのよい場所としてだけではなく、地域そのものの価値が再評価され、武蔵野ブームにつながっているという話でした。




フロアーの発言も交えた対談は、渦中の2本の都市計画道路と野川や武蔵野公園のことに話が展開していきます。今の野川の景観も昔のまま放置されて残ったのではありません。護岸工事でコンクリート張りとなった野川を自然に近い形にするべく、奔走し行政に働きかけた市民がいました。当時のことを語った、御年94歳の小金井の生き字引が、強調したことは、市民の働きかけに理解を示す行政の担当者がいて、一緒に勉強会を開いてともに考えたということでした。高度経済成長以後、右肩上がりの人口増の中で消えていきかねない自然環境を守ってきたのは、市民の意思・選択であることを改めて学びました。
今回は、長谷川さんの手掛けるラジオ番組のリスナーも市外から多く駆けつけていました。市外から参加された方にとって、市民が声を挙げて動かしてきた歴史は大きな驚きであったようです。市民の手で街を作り上げてきた歴史とそのエネルギーの継承こそ「武蔵野のポテンシャル」になるのかな、と思いました。                           (小金井市在住・小山剛)


写真提供・宇野正樹
 さん


Vol.2は、12月22日(日)14〜16時「古地図に見る武蔵野」講師は芳賀ひらく先生です。
ぜひご参加ください!