2019年3月29日金曜日

「意見交換会の続行を」小金井都道計画めぐり参加者有志、要望書を都に提出

昨日、意見交換会参加者有志10名が要望書の提出に都庁に出向きました。意見交換会参加者で、ジャーナリスト斉藤円華さんから報告いただきました。

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東京都が小金井市内に計画している都道3・4・11号線をめぐり、都が主催する意見交換会の参加者有志が3月28日、会の継続を求める要望書を小池百合子都知事宛てに提出した。

提出した要望書



意見交換会は都建設局が住民から公募等で参加者を募り、2017年11月から実施。3回目となる今年2月の意見交換会で、都側は意見交換会の打ち切りとオープンハウス(出入り自由なパネル展示形式の住民説明会)への移行を表明していた。

「検討する」と都建設局幹部

要望書は意見交換会に参加した住民50人中35人が賛同。提出は山内れい子都議(東京・生活者ネットワーク、国分寺市・国立市選出)が仲介した。参加者有志代表の安田桂子さん(はけ文代表)が、都庁本庁舎(新宿区)で都建設局の細見明彦・道路建設部計画課長に手渡した。

要望書の中で、意見交換会を打ち切るとする都の姿勢に対して参加者有志は「『都が望んだ形での意見交換会とならなかったため』との理由は、あまりに一方的で到底納得できない」と主張。都道計画の事業化に向けては「誰もが納得できるプロセスを経る必要がある」として、住民との話し合いの継続を都側に求めている。

意見交換会をめぐっては小金井市の西岡真一郎市長が3月11日、継続の検討を小池都知事に要望。また27日には小金井市議会では、意見交換会の継続に向けて市長が迅速に対応するよう求める決議が全会一致で採択されたばかりだ。

要望書を受け取った細見氏は「より多くの住民の意見を聞きたい」として、オープンハウスを実施する意向自体は変えなかった。

その一方で、「都知事からは『丁寧に対応するように』と指示されている。意見交換会の経緯は報告を受けており、市長や市議会からの要望は認識している」とした上で「意見交換会(の継続要望)について考えなければいけない」と述べ、庁内で検討することを明言。何らかの回答を文書で示す旨を約束した。


都建設局・道路建設部計画課長(左)に要望書を手渡す安田桂子さん

地元都議は仲介せず

参加者有志は当初、要望書提出の仲介を小金井市選出の辻野栄作都議(都民ファーストの会)に打診したが、辻野氏はこれに応じなかった。その理由として辻野氏は、「『都道計画に反対している』と市民に誤解される。自分は中立な立場で、私が動いても計画が変わるわけではない」などと安田さんに話したという。

「都議という立場には、住民と都政をつなぐ役割を期待している。要望書を届けるにも、都議の動き方一つで都の対応もまるで変わる。辻野氏にそうした役割を期待できないとすれば、小金井市民にとって存在意義はありません」と安田さん。記者は28日、辻野氏に電話取材を申し入れたが、辻野氏は「文書での質問でなければ答えられない」と話した。

今回、住民の声が市長と市議会を動かし、意見交換会の打ち切りにこだわる都の姿勢をも軟化させた形だ。今後、もし都が「より多くの住民の意見を聞く」にしても、それが「計画決定ありき」を補強するものであってはならない。住民と都が建設的に議論できる場としての意見交換会の継続が必要だ。



斉藤円華(ジャーナリスト。市内在住、はけ文会員)