都市計画道路2路線についての市長の総合的判断を伝えるための「市長報告」。
2月に1度発表し、「道路の必要性は否めない」という結論を出した報告でしたが、その中の文章内で市長が動物生態学者の高槻成紀先生から受けていた専門的なアドバイスを引用、高槻先生は自然環境の観点からはあの場所に道路を作ってはいけないという観点から書かれた文章を市長に渡したのに、それを結論を変えて引用されるのは学者としては到底納得できるものではないとして抗議。その結果3月4日に市長報告を撤回するという事態になりました。
その後「市長報告」の再提出を模索しましたが、そもそも白井亨市長は2022年11月の市長選で初当選、その時の選挙公約は「2路線は中止・見直し」というものでした。この2月の市長公約を出すまで、ずっとそれが市長の基本姿勢でのはずで、中止見直しの要望を東京都に出すためには小金井市独自の検証が必要と言って、検証作業を行なっていました。その検証結果が3・4・11号線の必要性が第一位になってしまったこと、そして「市長になってから様々な方とお会いしてお話を聞くうちに、市民の命と財産を守るにはこの道路の必要性は否めないという気持ちに至りました」と2月に初めて発表しました。
選挙公約を撤回したので、この間8月に5回の市民説明会、そして市民との意見交換の時間が足りなかったということで9月にもう1回意見交換会を小金井市が開催。のべ600名以上の市民が暑い暑い中参加し、意見を述べた参加者の98%が道路建設に反対、とても理にかなった意見を市長にぶつけました。小金井市が行なった検証結果も非常に恣意的で間違ったものであると市民からは鋭い指摘がぶつけられていました。
それらを経て改めての市長報告が9月19日(金)13時から市議会本会議で報告されました。
こちらからご覧いただけます→ 再提出された市長報告
今回のポイント、最初に出てくる結論部分は
【結論】
・小金井都市計画道路3・4・11号線の道路整備の必要性は否めない。
・国分寺崖線(はけ)、野川及び武蔵野公園の自然環境をできる限り守る。
とあり、「道路は必要だけれど自然環境はできる限り守る」と言っています。これはこれまで我々が「自然を守りながら道路を作ることは不可能です」と言い続けてきたこととはやはり全く違う考えであり、受け入れることはできない市長報告です。
ただ、この後に続く東京都の要望事項の中で、9月9日の市議会が出した決議について引用し、「(2路線を)優先整備にしないこと」を引用していること、それに続けて「私としては性急な進捗を望まず」と書いていることは評価できます。
ただこの文章のまとめが「影響が大きいと考えられる場合は既存案の設計、
施工の見直しの検討及び必要に応じた事業課題の検討をお願いいたします。」とあるので、「やっぱり道路を作ることが前提なのね」と感じずにはおられません。
私たちだってこの道路問題で何か妥協点がもしあるなら妥協したいと思ってないわけではないですが、「自然に配慮しながら道路を作る」というのはどうにもこうにも無理なのです。
当日のインターネット中継はこちらからご覧いただけます→ 再・市長報告
(質疑部分は途中休憩を挟み幾つかに分かれて視聴でいます)
「この道路の整備は否めない」というところからどうにも市長は動けなくなってしまった。本当にそれが我々市民の命と財産を守ることになるならば、合理的な根拠を示して説明会できちんと説得してほしかった。「市民の理解が進んでいない」という言い方をするけれども、理解できるだけの説明がされていないとこちらとしては言いたい。これまでも東京都の説明、小金井市の説明に対して、私たちは理解もしようとも思ったけれども、どれもとても理解できるものではなかったのです。
「影響が大きいと考えられる場合は」と書いてあるけれども、影響が大きいことはもうすでにわかっているのです。なぜ現実を見ようとしないのか、私たちの話を理解しようとしないのか、理解している人だと思ったからこそ市長に押し出したはずだったのですが・・・
市議会の決議、そして我々の出した陳情も採択されて小池都知事宛に「優先整備としないこと」という意見書が送られています。
これをもっともっと重く受け止めて、民意を強く反映した要望を東京都に提出していただくことを、ここでさらに強く要望したいと思います。
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読売新聞 |
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朝日新聞 |
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