2017年11月17日金曜日

9月に市長宛に出した質問状の回答が来ました。

9月25日に、「野川ほたる村」「都市計画道路を考える小金井市民の会」「はけの自然と文化をまもる会」の連名で、小金井市の西岡市長に提出していた質問に対する回答文書を、市民の会の方々が11月16日、都市整備部 西川都市計画課長及び田部井氏より説明をうけ、受け取って来られました。
市長の回答は、今までの議会答弁を繰り返すだけで終止しており、進展はありませんが、都度、市や都に申し入れや抗議を行い、市民が絶えず関心を持って注視していることを知らせていくことが大事だと考えています。
そして今日は東京都主催の意見交換会当日です。



都市計画道路を考える小金井市民の会           
はけの自然と文化をまもる会           
野川ほたる村 様

平成  9 年 1 1 月 1 4 日
              
小金井市長
西岡 真一郎
              



              文書に対する回答について



平素は、市政にご理解・ご協力をいただきまして、大変ありがとうございます。
表記の平成29年 9月 25日にご提出いただいた文書に対しまして 、下記のとおり回答いたします。

質問 1
市長名で、「地元へ配の慮を欠いた事業着手については2路線とも希望することはありません」と文書で知事宛に提出して下さい。

回答 1
ご指摘の市の考え方につきましては、既に都に対し伝えております。
また、市民の皆様や議会のご意見につきましても、これまでに様々な機会を捉え、 都に対し市長や 部局から伝えてまいりました。平成 28年3月22日には、直接市長
が都へ出向き 、市の考え方を伝えるとと もに、平成29年2月 14日の小池都知事との意見交換の際にも、一定の考えを都へ伝えているとの発言をしております。
なお、今後につきましても、継続して市民の皆様や議会からの声を都に伝えるとともに、市の考え方についても伝えてまいります。

質問 2
今後開催されるとされる「意見交換会」について、都側は「環境調査項目(内容?) についてのみを意見交換会で議論する対象としているようですので、市として、議論 の前提無しの「計画の是非を含むすべての問題について意見交換会とする」ことを文書で要請して下さい。

回答 2
市民の皆様や議会のご意見につきましては、これまでに様々な機会を捉え、都に対し伝えてまいりました。
また、平成  8 年  0 月 日の都議会第三定例会の一般質問において小池知事は「今後、道路の果たす役割や機能、そして環境にどう配慮するかについて


は、市民との意見交換の場を設けて、つ一つ丁寧に対応を行うように指示したところでございます」と答弁されております都からは、「小金井 ·  · 1 号線及び小 金井  ·  ·1 1 号線は、両路線とも平 成28年3月に策定され た「東京都における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)」において、平成 37年度までに事業化を 目指す優先整備路線(都施行)となっております整備にあたっ ては意見交換会を開 催し、環境、景観への配慮などについて、小金井市内にお住まいの皆様のご意見を伺いながら、検討を進めたい」と聞いてお ります

質問 3
今後に都が行とされる「意見交換会」については、
A 開催回数や参加人数を 定めない1 回や回で議論が途中で切れるならば何回でも行うの方が参加できる会場で行う等)ことを文書で要請してださい
B/ 前項の2の実効性を 担保する為にも、都側からは建設局だけでなく都市整備局の担当者も参加しての意 見交換会とすることを 文書で要請して下さい
C/ 前項1を実効 性のあ るものにする為に、意見交換会の内容出された意見や要望や結果を今後に反映させる確約を、小金井市と東京都に文書で確認 して下さい

回答 
市民の皆様や議会のご意見につきましては、これまでに様々な機会を捉え、都に対し伝えてまいりました 
また、50 人規模の意 見交換会につきましては 、道路の果たす役割や機能、そして環境にどう配慮するかについて、市民との意見交換を重ね、現地の地形や景観を踏まえ、検討すると聞いております。
また、数百人規模の 説明会も開催する予定であることも併せて聞いております今後、意見交換会及び説明会を通じて、市民の皆様や市議会のご意見が都に届けられるものと認識しております。
なお、小金井3・4・11 号線は、第四次事業化計画の優先整備路線であるため建設局主体で開催すると聞 いております

質問 
2つの道路計画に関しては、今後は東京都と小金井市が密接に 情報 共有しながら、それらの情報についてはすべて即時に市民へ周知して下さい。

回答 4

両路線については、今後、都と市で密接に情報共有していくことを確認しております公開が可能な情報を、適時適切にお知らせしてまいります




2017年11月15日水曜日

意見交換会、異議あり!!!

東京都建設局は、11月17日(金)に「3・4・11号線に関する意見交換会」を開催するとしています。
私たちは9月初旬、意見交換会のための入札が行なわれたことを知ってから、この意見交換会の開催について、
市や都にさまざま要望してきました。

9月14日、都がこの意見交換会に関して、市に事前の相談もなく入札し事業化したことに抗議し、中止を求めましたが、却下されました。

その後10月11日に発表された参加者募集要項を見ると、参加資格は小金井市在住で、18才以上、3・4・11号線沿道住民20名、沿道以外の20名と、抽選で選出するほか、町会自治会の代表者10名、合わせてわずか50名。
継続して年2回程度、金曜日の夕方に行なう予定の意見交換会に参加できることが条件で、欠席しても代理は認められません。時間は夜7時~8時30分の、わずか90分間。

情報公開について問い合わせると、会場の関係で傍聴は出来ないとの返事。小金井市には市民参加条例があり、会議は傍聴出来ることが基本です。小金井市民に向けた会なら、小金井ルールで行うよう要望しましたが、「会場の都合で」拒否。インターネット中継を要望しましたが、却下されました。

傍聴できない理由が会場の規模にあるなら、解消すればいいだけの話です。萌え木ホールA(定員66名)を会議室に、Bを保育室と都の職員の控え室にすると説明されましたが、ほかに保育の部屋を確保すれば、AB合わせて100名近く入ることが出来るのです。しかし都は頑なに傍聴を拒否しています。

何のために“意見交換会”を開催するのでしょうか。
都は「整備について、環境・景観への配慮について、小金井市内にお住まいの皆様のご意見を伺いながら、検討を進めたいと考えています」としています。都に問い合わせたところ、事業化を前提とした意見交換会であることを、はっきりと認めました。意見交換会で「検討」されるのは、「どんな道路をつくるか」なのです。

また、この計画は武蔵野公園を分断する道路にも関わらず、公園利用者へのお知らせや、利用者の意見を聞く場は一切ありません。都は具体的な設計図が出ていないことを理由に、公園利用者への周知も拒否しています。

2015年に計画案が発表されてから、私たちは、道路の必要性そのものに疑問を持ち、様々に声を上げ、行政に要望してきました。私たちの後ろには、この計画に疑問を持つ、たくさんの市民の方の声や想いがあります。その声を無視して、優先整備路線に選んだ理由の説明もなく、計画を一方的に「決定」したことに、市民は納得していません。

「情報公開」を都政の一丁目一番地としている都が、事業化を前提として、傍聴も取材も認めない“意見交換会”を開催することは、到底認められることではありません。はけと野川の環境を壊してまでこの道路がなぜ必要なのか。都は計画の根拠を示し、誰もが納得できるよう説明すべきです。

はらっぱ祭りでは多くの方が積極的にシール投票に参加してくれました。

〈意見交換会開催の経緯〉

2017年
8 月21日 東京都が市に知らせずに意見交換会のための入札情報
     (29北南-小金井3・4・11外1路線)を公表。
9 月14日 はけ文と都市計画道路を考える小金井市民の会(以下市民の会)の
      2団体が都へ入札の中止を要望。9月19日、中止しない旨の回答が届く。
9 月20日 小金井市議会議員有志が都建設局を訪れ、入札発注の見直しを求める
      要望書を提出。
9 月21日 意見交換会のための事業が開札され、委託業者が決定。
9 月25日 小金井市の3団体(はけ文、都市計画道路を考える小金井市民の会、
      野川ほたる村)から小金井市長へ、都に対し市長として申し入れを求める
      要望書を提出。同日、小金井市議会で全員一致で「都市計画道路小金井341号
      線・小金井3・4・11号線外の計画について見直しと誠意ある対応を求める
      意見書」を採択、都知事へ提出される。
10月11日 都が『小金井都市計画道路3・4・11号線』に関する意見交換会の参加者募
      集を開始。
10月17日 はけ文と市民の会が小金井市都市計画部長へ、意見交換会に関し情報公開を
       徹底することを求め要望書を提出。

10月25日 都建設局から市都市計画課へ、質問についての回答が届く。傍聴不可、
      議事録と資料は後日公開、インターネット中継は行なわない。計画の見直し
      はしない、意見交換会は意思決定の場ではない。という内容。



2017年11月14日火曜日

自主講座「市民が動かす!グリーンインフラまちづくり」

11月12日(日)10時〜12時、貫井北町公民館学習室ABを会場に市民が作る自主講座「水がめぐり、生きものがつながるまちづくり」の第一回「市民が動かす!グリーンインフラまちづくり」を、東京農業大学地域環境科学部造園科学科准教授の福岡孝則さんを講師に迎え開催しました。
以下、講演要旨です。


グリーンインフラとは、自然の機能を活かしたインフラ整備のこと。
福岡先生が関わってこられた世界各地の都市デザインやランドスケープのプロジェクトの事例を紹介。近年の都市部への回帰の高まりを受け、都市の生活を再整備する必要が出てきている。都市での生活は専有面積が少ないため、公共空間の居心地のよさが暮らしの質にとって大切である。道路や広場などを居心地よく変える社会実験の例を紹介。道路にカフェをつくる、期間限定の遊び場をつくるなど。自宅の庭を開放して街中を回遊できるようにするなど。「外に向けた都市戦略としてのリバブルシティ(住みやすいまち)」から、「住んでいる人が住みやすいと感じるリバブルシティへ」。

プロジェクターを使ってわかりやすく話される福岡孝則先生。

世界中で都市型洪水など頻発している。アメリカではグレーインフラの更新時期になっている。行政のインフラだけでなく、市民それぞれの取り組みが推奨される。雨水税の導入。不透水の部分に課税される(デトロイト)。雨水を一気に下水に流れさせず、一時貯留させてから流すことで洪水を減らす。生活の中で市民も、増水など自然の変化を身近に感じられることが大切。

緑が増えることでの便益を考えたい。研究では、緑が増えると犯罪率が下がる、歩いたり走ったりする機会がふえて健康的になる。心臓病が減るというデータもある。環境的、経済的、社会的様々な便益があると思う。

シンガポールのビシャン川の例。三面張りで柵のある川のコンクリートをはがし、氾濫源を内包する川へと戻し、水に入って遊べるようにした。川に飛び石を配したところ、当初行政からは安全面から大反対されたが認められた。日常時は親水性が高く、非常時は洪水をいなす仕組みを取り入れた公園。大雨などで水位が上がると警報が発するシステム。都市の中で子どもから大人まで、水と緑に親しめる場所に生まれかわった。

シンガポールのビシャン川について写真で説明。

町田市の境川の流域、鶴間公園の例鶴間公園と境川、新しく出来るショッピングモールが一体となった公民連携の再整備計画。樹木が適正に管理されていなかった森の生態系を調査し、評価した。
建設後時間が経った運動公園の質を高めるために再整備計画が進んでいる。開園から40年が経ちうっそうとした樹林の適切な将来像を議論し、適度に光の入る魅力的でありつつ、生態的にも配慮している。公園の潜在的にもつ力や自然の力を活かし、多世代の市民が多様な使い方をできるような公園の姿を目指している。


鶴間公園では、市民に参加を募り、「森のがっこう」というプロジェクトが行なわれた。「学びチーム」「工作チーム」「食チーム」など興味ある分野で班をつくり、6月~11月まで5ヶ月間にわたって市民と行政、民間企業が連携して取り組んだ。ピザを焼いたり、伐採したクスノキでベンチ作り、公園の照度の適正を探るワークショップなども開催。中学生から80代までの幅広い年令の市民が参加し、自らの手で公園を育てることを模索している。


詳しくはこちらをご覧ください。
南町田拠点創出まちづくりプロジェクト


ランドスケープが専門の福岡先生から見ると、建築家は造園や緑のことを知らなすぎ、緑が好きな人は建築を知らなすぎる。分野を超えてお互いを知ることが、これから大切になる。

例え公園にたくさんの人が訪れ、賑わいがあったとしても、そこにコミュニケーションが起きていない。たくさんの人が来れば公園の設備は消耗するが、行政だけで担うのは負担が大きい。公園をただ使うだけでなく、育てていく環境の中で、これからの市民は育つのではないか。

住んでいるところからまちを良くするために、緑や水をとっかかりにして、耕すように関わることには、とても大きな可能性がある。

参加者からも熱心な質問がありました。

先生のお話はとてもわかりやすく、市民が公園や都市の緑についてもっと積極的に関わったり考えたりしていく必要性や楽しみを教えていただいように思います。
世界全体の動きとして、車中心の社会から人が中心の街へ変わってきているのだと感じました。小金井市がどんな街を目指すのか、それをちゃんと示すことが小金井を魅力ある都市にすることになるのだと感じました。