震災時を想像してみると「道路が機能したらいいね」くらいの、期待はしたいけれどその確証はない話に
しか思えないところがあります。
震災が起こったら、実際どうなるのか?自分自身も震災について考証して、起こりうることをイメージしておくのは多少の備えになると思い、まず東京の救急車数について調べてみました。
下表は都道府県別の救急自動車数と人口の対比です。
一番右側が救急車1台あたりの人口ですが、東京はワースト1になっています。

東京には約4万人に1台しか救急車がないとすれば、震災などで多数の負傷者が出た場合に救急車で運んで
というのはまず不可能に近い話だと思います。
私自身、こんなに少ないの?と、統計データを信じられなくて、近所の消防署に行って「東京都の救急車台数って340台程度なのですか?」と聞いてみましたら「だいたいそれくらいですね」との答えでした。
消防署の窓口の方はとても親切で、的確な答えをしてくれる方だったので、いろいろ質問してみました。
「この台数では、震災時に救急車で運んでもらうのは不可能ですね」と聞いてみると「震災どころか、平常の毎日でも、救急車は出ずっぱりです」とのこと。
東京は全国一の財源を持っていながら、こんなに救急車が少ないのは、都民としてちょっと納得できない思いでした。
救急車だけ増やせばよいというわけではなく、同時に救急隊員も増やさなければならないので、そんなに簡単な話ではないのは判ります。しかし、道路建設より先に救急車や救急隊員を増やしてほしいです。それらは震災時だけでなく、普段の平常の毎日でも不足しているからです。
平常時に不足しているものを補わず、災害時の備えを先にするのは順序が逆だと思います。
新しい道路を作ろうとする場合、必ず「震災の備え」という大義名分が出てきますが、立ち退き費用や建設費用など多額の税金を投入して新しい道路で「備える」ならば、既存の道路の電柱を地中化するなど低予算で備えとなる方策もあるのに、それはやっていないように思います。
私は震災に備えるとこを否定するものではなく、震災には備えたいのです。
しかし、考えてみると震災時には避難場所や食料や水や衣類などなど、道路以外にも必要なものはたくさんあります。何から先に備えるのか?どのくらい備えるのか?をバランスよくやっていかなければならないと思います。
そして「備える」にしても、なるべく低予算で効果の高い方策から先に進めていくべきことだろうと思います。
<文・作図 鈴木浩克>
0 件のコメント:
コメントを投稿