2017年8月1日火曜日

武蔵野公園トイレ説明会の報告

7月9日(日)18301930、南小学校体育館にて武蔵野公園におけるトイレ設置に係る説明会が開催されました。(主催、東京都西部公園緑地事務所工事課)

およそ50名の市民が参加。
はじめに録音不可、撮影は冒頭のみと説明があり、慌てて写真撮影。

 中尾(東京都西部公園緑地事務所工事課長)、齋藤(同・工事課長代理)両氏が前回に引き続き説明役でした。





まずこれまでの経緯が説明されてから、新たな改定案が示されました。


東京都が提示した新たなトイレ案

・半径150mをトイレの利用範囲としている
・位置について、資料のA,B,C各地点で検討を行なった
・トイレ機能のみ(休憩所は無し)、女子1、男子1(座)+1(立)、誰でもトイレ1
・設備の規模はおおむね5m×2.5m
・場所について、当初のA地点は無し、B地点は樹林地であり樹木伐採の必要が生じるため無し。
C地点に最小限の機能のトイレを設置する
・スケジュール予定は、平成30年設計、31年工事





当初の案からは場所も大幅に変更になり、はらっぱの真ん中ではなく、公園の端の方に移動し、規模も縮小したことで安堵もしましたが、体育館での説明だけでは場所がはっきりわからないので、説明会終了後に夜ではありましたが、東京都の案内で見に行くことになりました。


市民からは賛否両論の意見が

説明会は続き、「武蔵野公園の西側出入口付近にトイレは必要。トイレがなく木陰などで済ませてしまう人もいてとても迷惑している」という近隣の方からの意見や、「説明会に来られない人も大勢いる。事前に案を示してほしい」、「前回の説明会でとったアンケートではトイレはいらないという回答の方が多かったのに、今回の説明会では作るありきなのはどうしてなのか」など、激しい意見がたくさんでました。高校生からも「長く武蔵野公園の近くに住んでいる。これ以上の公園整備はいらない。木は切らないで欲しい」という強い希望が述べられました。

トイレ整備の結論としては、トイレの場所は大幅に公園の端に移動し、規模も小さくなり、前回の説明会、その前の府中での公聴会で、近隣住民が反対意見を述べたことは大きな成果でした。

しかし、公園整備計画の問題が残っています。今回の説明会でもトイレ欲しい派と、トイレ不要派(みんな同じ意見ではないと思うが)に住民が分かれているのが印象的でした。その二極化は、いらない派は原っぱの景観にトイレ不要というのが一番だと思いますが、それと合わせて「公園整備計画への不安」というのがあると思っています。この春に東京都が発表した武蔵野公園の整備計画は、免許試験場を野球場などのスポーツ公園とし、武蔵野公園には都市計画道路が通る計画ありきで、大幅な整備がされる計画です。お花畑ができたり、現状の森を伐採して、新たな植林をするなど、今の公園の景色はほぼ失われるような計画です。トイレなどの施設もたくさん建設され、観光客などがたくさん訪れても対応できるような仕様にしていこうと感じます。このトイレ計画もその整備計画につながっているのではないかという不安があるから、東京都へも多くの市民が詰め寄るのです。しかしそれについての具体的な回答はありませんでした。都市計画道路計画と合わせて公園整備計画についても今後とも注視していかなければなりません。


武蔵野公園整備計画を心配する子育て世代

今回の説明会で気になったのは、ご年配の方々と比較的若い子育て世代との情報格差です。トイレを整備して欲しいといっている方のほとんどはご年配の方々で、子育て世代はトイレを作ることに危機感を持っている人が多数でした。この現象はどうして起きたのかと考えると、公園整備計画のことはほとんどネット情報で、市報や新聞など年配の方が情報を得る媒体には出ていないことが原因ではないかと感じました。

公園整備計画は「緑の量」が減るわけではなく、「緑の質」が変わる整備計画だと思っています。今よりもより人工的な緑への変化です。それだけにちょっとわかりにくく、整備して歩きやすくなったり、トイレにすぐ行けたりする方が便利と考える方もいるかもしれません。そういうこともあり道路計画よりも、問題を伝えにくいのが公園整備計画なんだろうと思います。もっとこの計画を広く、ご年配の方にも知っていただき、なぜこんなにトイレに過敏に反応しているのかもご理解いただけるようにしていかなければと感じました。市民同士助け合わなければはけも公園も守ってはいけません。

東京都が発表した武蔵野公園整備計画図にわかりやすくポイントを記したもの。


今回、説明会が日曜日の夜18:30からということで、東京都は託児を設けてくれました。それはとても良かったと思います。ただこの開催日時で良かったのか、事前に計画図を示すべきではなかったか、録音禁止、撮影は冒頭だけにしたのは納得できないなど、問題点もありました。東京都、公園とは今後も話し合いを続けていきたいと思います。
                            (報告・安田、横須賀)

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